■言葉の意味:
テレパソロジーはtelepathologyという英語のカタカナ表記で、「遠いところ」を意味するteleと「病理学」を意味するpathologyをくっつけてできた言葉です。この言葉の意味は顕微鏡を通して見える画面を遠く離れたところでも観察することができるようにすることで、これを医療の様々な分野で活用することです。
■病理診断について:
長くなりますが、少し詳しい説明をしましょう。ヒトの血液、尿、分泌物、組織の一部などを顕微鏡で拡大して観察することが医療の現場ではしばしば行われます。そこに病気の原因となる細菌が潜んでいないか、がん細胞などいないかなどを調べるのです。その結果は当然、患者のみなさんの治療に役立てられます。
みなさんが最も興味をもたれる病気であるがんの診療では、まず「がん」という診断が決まることがあらゆる治療の前提となります。がんの診断はどうやって決まるかいうと、がん細胞を顕微鏡で確認することにつきます。つまりがん細胞を顕微鏡で見つけて初めてがんという診断が下されるのです。こうやって下される診断は病理診断といいます。画像診断も確かにがんの診断に使われますが、本当の意味でがんの診断は病理診断によらなければなりません。がん診療は日本中どこでもこの病理診断に基づいて行なわれています。
■病理医について:
それでは病理診断は顕微鏡を覗けばだれにでもできるのでしょうか? ほんの少しだけ訓練を受ければがん細胞とがんでない細胞の区別がつくこともありますが、多くは専門的な知識と長い経験があって初めてできるものなのです。こういう仕事を専門的に行っている医師は病理医と呼ばれ、我が国にはおよそ2000人弱いるといわれています。この人たちが日本中のがんの病理診断に従事しているのです。
あなたが通われている、入院している病院には病理医はいますか? 残念ながら病理医は日本中の病院に充足するだけの人数はおりません。あなたのように病理医のいない病院に通院されていたり、入院されている方もたくさんおられるでしょう。でも、ご安心下さい。がんの診断、治療は病理診断なしで行われることはまずありえません。あなたの血液、尿、分泌物、組織などは専門的な施設に運ばれ、そこで病理医による病理診断を受けることになるのです。特殊な事情でもない限り、たとえ病理医が勤務していない病院であっても、がんの診療は病理診断に基づいて行われています。 |